『自分がやめたら仕事が回らない』SEがおちいる勘違いの理由と対策
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「システムエンジニアとして働いているけど、仕事がしんどくてやめたい。」

 

「でも自分がやめたら仕事が回らない。」

 

本記事ではこんな悩みを解決します。

こんばんは、エンジニア歴15年以上のHRです。

数年前に大手SIerから社内SEへ転職しました。

 

システムエンジニアの仕事はハッキリ言ってハードです。

転職を考えることが1度や2度ではない方も多いのではないでしょうか。

 

そんな状況でも環境を変える一歩を踏み出せない方でよくある理由が、

「自分がやめたら会社の仕事が回らない」

というもの。

ぼくも前職では同じように考えていました。

 

ぼくは転職してみて、そして長年エンジニアとして働いてみて、「会社の仕事が回らなくなる」というのが”勘違い”だと気づきました。

本記事では”勘違い”という意味を対策まで含めて解説します。

やめたら会社の仕事が回らなくなる、と悩んでいるあなも一歩を踏み出せるようになるはずです。

それではご覧ください。

 

「自分がやめたら仕事が回らない」状況とは?

『自分がやめたら仕事が回らない』SEがおちいる勘違いの理由と対策2

 

あなたが抜けたら仕事が回らなくなる状況とは、一言でいえば「1人で仕事を抱え込んでいる」状況です

ただし単に仕事が多く終わらない、残業・休日出勤が続いている状況とは違います。

 

両者は似ているようで厳密にイコールではありません。

なぜなら、大人数で作業している上で忙しい状況なら、あなたが抜けてもカバーできる人がいるからです。

抜けたら仕事が回らなくなるのは、あなたが一人でしかできない仕事が増え結果的に忙しくなり残業が増えていくイメージですね。

 

ぼくの経験:開発案件の一から十までを自分でやってしまう

ぼくが自分が抜けたら仕事が回らないと考えていた状況では、開発案件を1から10まで自分でこなそうとしていました。

SIerの開発案件では、要件定義、見積もり、設計、コーディング、テスト、納品の流れで開発が進むのが一般的。

そして各工程では、プログラミングやテストの他に資料作成、細かな仕様確認、客とのやり取りなど、いろいろな作業が発生します。

 

リーダーの立場だった当時のぼくは、細かな仕様やコーディングの作り、資料作成まですべてを自分でコントロールしようとしていました。

そしてこれが誤りでした。

さすがにリーダーという役割上、すべてのコーディングまでは出来ませんでしたが。。

 

すべてを自分で・・と考えていた結果、やることはどんどん増え退社時間はいつも最後。

残業時間も増えていく悪循環にハマっていましたね。

 

エンジニアなら同じような状況の方も多いのではないでしょうか。

 

まじめで優秀な人は要注意

「自分が抜けたら部署の仕事が回らない」

と悩んでいる人は基本的に優秀な人が多いです。

 

具体的な特徴はこちら。

 

  • 長年同じ作業をしている人
  • 他の社員よりスキルがある人

 

 

同じ部署で同じ作業をコツコツと続けて来た人は、その人しかできないことを抱えているパターンが多いです。

またスキルがある人も、難易度の高い仕事が入りやすく一人で抱え込みやすい環境になりがち。

 

まじめな方は、降ってきた仕事を何とかしてでも全部こなさなければ、何とか自分でやらなければ、と考えてしまいます。

 

 

あなたが抜けても会社は回る

『自分がやめたら仕事が回らない』SEがおちいる勘違いの理由と対策3

 

いろんな書籍やサイトで解説されていますが、重要なことなので本記事でも書いておきます。

結論からいえば、あなた一人が抜けたとしても会社は回っていきますよ。

本章では、その理由とぼくの実例を解説します。

 

組織の責任はあなたにはない

そもそも、本当にあなたが「自分が抜けたら会社が回らない」と心配する必要があるのでしょうか?

会社が回るかどうかを心配するのはあなたの上司や役員の役割であり、あなたではありません。

それは会社が組織で動くものだからです。

 

個人の力では限界がある規模や内容の仕事をするため、組織で仕事を進めます。

一方でフリーのエンジニアや個人事業だと個人の責任で仕事をするためそうはいきません。

 

会社が組織やチームで仕事をする以上、誰かが抜けても仕事を回していく必要があります。

 

ぼくの例 ①:転職前の職場

前の章で書いたように、ぼくも転職前の職場では仕事を抱え込んでいる状況でした。

客と開発案件の仕様、部署の雑務のすべてを行っていたため、「自分が抜けたら回らない」と自分でも考えていましたし、上司からも話をされていたものです。

いま思うと、暗に抜けられないように釘を刺されていたのかもしれません。

 

こちらの記事で解説しているように、ぼくは数年前に激務を理由に転職しました。

 

転職後も当時の上司と付き合いがありますが、転職前の部署も新しい体制でしっかり回っています。

 

ぼくの例 ②:人事異動

続いて現在の職場での例を紹介します。

ある年の人事異動で、それまでチームの中心だった方が別部署に異動されました。

急な異動で引継ぎも十分に出来ていない状況です。

それでも、中心的な役割を別の方が担い、個々の担当も工夫した新体制で仕事は進んでいます。

 

なぜあなたが抜けても仕事は回ると気づけないのか?

『自分がやめたら仕事が回らない』SEがおちいる勘違いの理由と対策4

 

ぼくが一人で仕事を抱え込んでいた時は全然気づけなかったのですが、転職して落ち着いてから思い返してみると原因が見えてきました。

実は自分が抜けても仕事が回ると気付けないのではなく、「気付いているけど現状を変えたくない」と心の中で思っていたんです。

 

忙しく仕事をこなしているなかで、自分がこの部署・グループを回している、という優越感を心の底で少し感じていました。

残業が多くてしんどい反面、その優越感が心の奥底では少し心地よかったりします。

あくまで後から思い返してみれば気づいたことです。
その当時は気づけませんでした。

 

ぼくが現状を変えたくないと思っていたことにハッキリ気付いたのは、「嫌われる勇気」という本を読んでから。

嫌われる勇気」はベストセラーのため読まれた方も多いでしょう。

アドラー心理学を分かりやすく解説した本で、目的論という考えの中で”変わらないことを自分で選択している”と書かれています。

 

この本を読んで、自分は現状を変えようとしていないんだな、と自分を改めて考え直すきっかけになりました。

 

「仕事を渡したくない」というプライド

できるエンジニアほどおちいる考えが、人に仕事を渡したくないということ。

有能なエンジニアは自分の仕事にプライドがあり、つい何でも自分でやってしまおうとしてしまいます。

人に仕事を渡せないことで元々の自分の仕事に加え新しい仕事が振ってきて、自分で仕事を増やす悪循環になりやすいです。

 

ただし会社員ではなくフリーでやっているなら別の話。

自分で仕事をこなさないといけないですし、フリーであれば自分で仕事の量をセーブできます。

 

「責任が重いほど自分がやらなければ」という勘違い

役職が上がったり、リーダーとしてまとめる立場になった場合にありがちなのが、「自分がやらないと」と思ってしまうこと。

責任が重くなり、つい全部自分でやってしまおうとしてしまいます。

ぼくもリーダーの立場になったときにそう思ってしまっていました。

 

でも実際は違っていて、他の人に仕事を任せるべきだったんですよね。

上の立場になり責任が重くなるということは、組織で成果を上げる立場になるということ。

チームや部下を育て、組織で成果を出していくことが上の立場では大切です。

 

 

行動するためのブレーキを外す

『自分がやめたら仕事が回らない』SEがおちいる勘違いの理由と対策5

 

自分が抜けたら会社が回らないと思ってしまう原因が分かったところで、ではどう対応すべきでしょうか。

答えは「なぜあなたが抜けても仕事は回ると気づけないのか?」の章で解説した内容を考えると分かってきます。

 

まずは「今の状況を変えたくない」と心の底で思っていることをあなた自身で認めること。

なぜなら、状況を変えたくないと思っていると行動へのブレーキになってしまうため。

あなた自身の気持ちを認めることが第一歩です。

 

少し抽象的な話になったので、ブレーキを外したあとにやるべき具体的な方法を紹介していきます。

 

「組織にとってどうか?」と考える

あなたの状況を一歩上の立場で考えてみましょう。

あなたが色んな作業を一手に引き受けてこなしてくれる、その頑張りはすばらしいことです。

ただ上の立場で考えると、組織にとってはリスクでしかありません。

いわゆる属人化という状態です。

 

組織を管理する立場で考えると、誰かが抜けて仕事が回らなくなる状態は改善すべき課題です。

 

あなたの仕事を人に振る

あなたが抱えている仕事を他の人を頼って振るようにしてみましょう。

他の人に振れるようになれば、長期的にみてあなたが楽になる仕組みが出来てきます。

 

もしかすると「自分でやった方が早い」と思うかもしれませんが、グッと我慢しましょう。

他の人に仕事をお願いするのは最初はとても手間がかかります。

でも楽になる仕組みが出来てしまえば結果的にあなたが楽になります。

 

なお他の人に仕事をお願いする上で大事なのは、作業の権限と責任を与えること。

難しいように聞こえるかもしれませんが、任せたからには細かなやり方には口出ししないだけで大丈夫です。

仕事を振られた人はやり方を工夫して成果を出そうとします。

するとチーム全体でみた仕事のパフォーマンスも上がり、結果あなたも楽になります。

 

 

「仕事を振る人がいない」をあなただけの問題にしない

「とはいっても、仕事を振る人がいない。」

エンジニア業界は慢性的に人出不足。一人で何案件も抱え込むこともめずらしくありません。

そんなときは、振る人がいない問題をあなた一人の問題にしないことが大切です。

 

まずは仕事を振られても安易に「出来る」と言わないことから始めましょう。

なまじ残業してでもこなしてしまうから、更に仕事が増える悪循環になります。

仕事が回っていれば、あなたが問題と感じていても上は感じていないかもしれません。

 

仕事量に対して人手不足なのは組織を管理する人たちの責任です。

あなただけの問題として抱え込まないようにしましょう。

 

責任を持たないのはNG

人に仕事を振る=あなたに責任がないわけではありません。

振った仕事のアウトプットに対する責任はあなたが持つ必要があります。

たとえば、資料作成なら作成した資料は確認する、プログラム作成なら動作確認はする、など最低限の確認はしましょう。

仕事を振ってほったらかしにならないようにして下さい。

 

 

まとめ:現状を変えるために行動を

仕事を一人で抱え込んでしまうとあなた自身にとっても組織にとってもマイナスです。

いまの職場でも変えられることから、あなた自身の行動で変えられるところからは変えてみましょう。

 

転職を考えるのは、どうしても今の職場ではダメだとなってからでも遅くはありません。

現状を変えたくないと自分で縛っていることに気づいて、行動を起こすことが大切です。

今の職場でも、転職でも、行動すれば状況は変えてください。

それでは。

 

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