「システムエンジニアとして働いているけど精神的にとてもしんどい。」
システムエンジニアをはじめとするIT業界の仕事ははっきり言ってとてもハード。
ぼくはSIerと社内SEという2つの職種を経験し、SIer時代は常駐や請負開発を通していろいろなIT企業を見てきました。
これまで働いた職場でも、精神的な不調を理由に休職や退職された方は多いです。
せっかく自分のため、家族のために働いているのに、うつ病などで体を壊しては元も子もないですよね。
そこで本記事では、なぜSEは精神的な不調になりやすいのか、精神的な不調にならないよう現役エンジニアのぼくが実際に行っている対処方法を解説します。
抽象的な精神論ではなく具体的に行動できる内容を書いていますので、すぐに行動できます。
それではご覧ください。
タップできる目次
精神を病むエンジニアが多い3つの理由
具体的な対策を書く前に、「そもそもなぜエンジニアは精神的に病みやすいのか?」を考えます。
バグ改修と同じです。
仕事が忙しい、納期が厳しいなどのストレスがあることはもちろん大前提。
その上でシステムエンジニアの仕事は、次の3つが不足することで精神的な不調が起きやすいです。
- 十分な睡眠
- 適度な運動
- 他者との関わり
ぼくも以前は何となく「エンジニアの仕事は精神的にキツイ」と考えていました。
でもある時、ベストセラー本の「スマホ脳」を読み以下の言葉に出会います。
「睡眠、運動、そして他者との関わりが精神的な不調から身を守る3つの重要な要素だ」
この本を読み終え考えてみると、3つの要素すべてがシステムエンジニアの仕事で足りていないことに気づきました。
スマホ脳は現代社会の問題を人間の本能という視点から解き明かしている良書です。
とくにテクノロジーに囲まれた生活を送るエンジニアの方は、一度読んでみることをおススメします。
睡眠時間が少ないエンジニアの日常
睡眠時間が足りていないのは、エンジニアの方にはあらためて説明不要でしょう。
納期前はとにかく忙しく帰宅が遅くなります。
休日出勤も日常で、ときには徹夜をすることもめずらしくありません。
仕事の時間が長くなればなるほど、睡眠時間は減っていきます。
1日中パソコンを使ったデスクワーク
システムエンジニアは基本的にパソコンを使う仕事です。
プログラミングや設計書作成、打ち合わせ資料作成はパソコンを使って行います。
そしてパソコンに向かっている間は椅子に座って動くことはありません。
システムエンジニアは慢性的な運動不足になりやすい仕事です。
プライベートを楽しむ気力がなくなる
エンジニアの仕事はハードワークでいつも睡眠不足です。
となれば休日は少しでも休みたいところ。
外出するのもしんどくて、一日中家で過ごし誰とも触れ合わずに休日が終わる。
そんな休日を過ごしているシステムエンジニアは多いのではないでしょうか。
身体を動かした後の爽快感と心地よい疲労感
前の章では、システムエンジニアが精神的に疲れやすい理由の根拠としてベストセラー本の言葉を引用しました。
ただし、ぼくが「睡眠・運動・他者との関わり」に納得したのは、本から得た知識だけが理由ではありません。
体を動かした経験を思い出す
ぼくが過去に農作業や地域の活動など、体を動かした仕事をしたときのことを思い出してみました。
一日中体を使ってたっぷり汗をかきます。
家族や仲間とみんなで一緒に作業するため、他者との関わりも十分。
そして身体が疲れているので、夜はぐっすり眠れます。
当然疲れはありますが心地よい疲労感で気持ちがよく、ストレスを感じることもありません。
エンジニアの仕事は正反対
一方でシステムエンジニアの仕事を考えてみます。
一日ハードに働いても、基本パソコンに向かっているためあまり汗をかくことはありません。
チームで一緒に作業はしますが、睡眠時間は少ないです。
自分の精神を守るためにできること
エンジニアが精神的な不調になりやすい原因が分かったところで、ここからは具体的な対策を書いていきます。
ぼくが実際に行った方法は大きく2つです。
環境を変えずにやれること
⇒睡眠の質、運動で汗をかく、他者との関わりを作る
-環境を変えること
⇒残業時間を減らす
いろんな本やサイトで、さまざまな方法が書かれていますよね。
ここではぼくが実践していること、実際に行動したことに絞って紹介しますが、どれも特別なことではありません。
いまの環境で睡眠、運動、他者との関わりを作る
まずは環境を変えずにいまの環境で出来ることから始めましょう。
睡眠、運動、他者との関わりを一つずつ説明します。
睡眠は超重要
睡眠の大切さはいろいろな本やサイトで解説されていますね。
ただし忙しいエンジニアにとって大切なのは、睡眠時間を延ばすより睡眠の質を高めることです。
具体的にはスマホを枕元に置かないようにします。
ぼくは寝るときにスマホをベッドから少し離れたデスクに置いています。
「たったそれだけ?」
と思われるかもしれませんが、これだけで睡眠の質が全然違います。
スマホが人を惹きつけるパワーはとても強いです。
寝るときに手元にスマホがあると、常に気になってしまいつい手に取ってしまうことも少なくありません。
スマホ画面のブルーライトを浴びると、目がさえて眠りの質が落ちます。
はじめから手の届かないところに置いておけば、あきらめて眠りにつけるため常に気になることもありません。
体を動かして汗をかく
ぼくは自転車通勤+週末のランニングで汗をかいています。
忙しいエンジニアは平日になかなか時間を取れません。
また通勤に自転車を使うことで片道1時間ほどを運動のために有効活用しています。
ただ自転車通勤ではおもいっきり汗をかくほどではありません。
そのため週末にはジョギングでしっかり汗をかくようにしています。
運動で汗をかくことで頭もすっきりします。
その上、適度に体が疲れて夜にしっかり眠れるため一石二鳥。
いま流行りのマインドフルネス状態に近いですね。
他者との関わりは仕事以外で
3つ目のポイント、他者との関わりをどう持つのか。
ぼくは仕事と全然関係ない趣味を持つようにしています。
同期と遊ぶ、職場メンバーでBBQなどでは、結局仕事の話になってしまうため、あまり意味がありません。
ぼくは趣味でギターとバンドをやっています。
バンドメンバーとの交流や楽器を無心で弾くことでストレスを解消できています。
いつでも何かを始めるのに遅いということはありません。
また、エンジニアにはコミュニケーションが苦手という方も少なくないでしょう。
オンラインゲームでつながる、アニメを見てアニメ仲間とオンラインでつながる、など方法は何でもかまいません。
時間がとれなければ環境を変える
ここまで、睡眠、運動、他者との関わりを作るためにぼくが行っていることを紹介しました。
とはいえ、
「そんな時間はとても取れないよ。」
というエンジニアは多いでしょう。
実はぼくもSIer時代はとても忙しく、環境を変えるため社内SEへ転職しました。
十分な睡眠をとる時間、運動をする時間、趣味にうちこむ時間。
睡眠、運動、他者との関わりを作るためには、それなりに時間が必要です。
平日も休日も忙しすぎて時間がない、でもグチっているだけでは何も変わらないと考え、思い切って転職して働く環境を変えました。
残業を減らすために転職を決意
SIer時代は残業が多く帰宅時間も遅かったため、プライベートの時間もなかなか取れませんでした。
でもいまの環境を変えるのはなかなか難しく、プライベートの時間、家族との時間を確保するために転職を決意します。
社内SEへの転職を決めた理由は、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
環境を変えた先に待っていたもの
ぼくは転職後に、より睡眠、運動、他者との関わりを持つ時間が取れるようになりました。
というのもSIerから社内SEに転職したことで残業がかなり減ったからです。
家族で夕食もとれるようになり、より精神的にも楽になっています。
詳細はこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
まとめ:まずはできることから
システムエンジニアは忙しくプレッシャーも大きいので精神的につらくなりがちです。
そのため小さなことからでも行動を起こすことが大切。
出来ない理由を探すよりも出来ることを探しましょう。
たとえば、寝るときにスマホを枕元に置かないことは今日からでもすぐにできます。
いきなり自転車通勤やジョギングは難しくても、エレベーターではなく階段を使う、電車ではなく1駅歩くなどは明日からできます。
また、働く環境を変えたいのであれば転職活動をスタートさせてください。
こちらの記事で書いているように、忙しく働くシステムエンジニアは使えるサービスは利用して効率的に時間を使いましょう。
本記事を読んで、少しでも精神的に楽になれば幸いです。
それでは。