「エンジニアが中途採用で転職するってやっぱり大変なのかな。」
誰でも環境の変化を不安に感じることはあたりまえです。
ただ、エンジニアが転職先で中途採用として働く上でどんなことがつらいのかをあらかじめ知っておけば、心の準備ができて不安も和らぎます。
だいぶ慣れてきましたが、しんどいことも多くありました。
ぼくだけではなく、周りの中途採用されたエンジニアも似たような不安を感じていました。
そこで本記事では、エンジニアが中途採用でつらいと感じること、つらいときの乗りこえ方を解説します。
すべてぼくや周りのエンジニアが経験したことなので、これから転職を考えているエンジニアの不安を少しでも解消できるはず。
それではご覧ください。
タップできる目次
エンジニアが中途採用でつらいと感じることは?
ぼくが実際に転職先で社内SEとして働き始めてつらかったことはこちらです。
- 即戦力へのプレッシャー
- 開発環境に慣れない
- 開発の自由度が無い
- 人間関係に慣れない
それぞれ詳しく説明します。
即戦力の期待に対するプレッシャー
中途採用されたエンジニアは基本的に即戦力として期待されています。
企業としては、組織の戦力アップや誰かの抜けた穴を埋めるためにエンジニア経験者を採用しているわけです。
よほど畑違いでなければ、すぐにでも活躍して欲しいと期待しているでしょう。
ぼくも転職面接では即戦力で活躍して欲しいと言われました。
すぐに結果を出したいと意気込んでいたのですが、そんなに思い通りにはいきません。
とくに社内SEという仕事では、システム開発のスキルよりも業務知識が重要になってきます。
なお、社内SEに必要なスキルは、こちらの記事で解説していますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
とくに転職後の1年ほどは、早く成果を出したいけど中々結果を出せないジレンマを感じていました。
システム開発環境が複雑
転職先企業の開発環境、社内システム環境を覚えるのも時間がかかりました。
というのも会社によってシステム環境は全然違うからです。
とくに歴史が長い会社ほど独自の構成が出来上がっていて、一般的な環境しか知らなければ覚えるだけで一苦労です。
システム環境とは、例えばファイルサーバ、コンパイル環境、社内システム構成、ツールなどのことです。
またコーディングルール、本番リリース時の手続き、など運用的な独自ルールが存在することも少なくありません。
たとえば、ぼくが転職後3カ月ほどたった時期に基幹システムのある機能開発を担当したときの話です。
機能仕様は比較的シンプルなものでしたが、予想以上に時間がかかってしまいました。
なぜなら入力画面や帳票、バッチジョブなど、転職先で使っている開発ツールを初めて触ったため、仕組みや操作になれずに時間がかかりました。
当時のリーダーから、
「なぜそんなに時間がかかるの?」
と言われ、とてもプレッシャーを感じたことを覚えています。
自由にやれるさじ加減が分からない
エンジニアで開発を行っていると、開発用サーバやプロジェクト管理、ソース管理などのツール、テスト用端末など自分で構築する必要がでてきます。
でも環境が変わると、どの程度まで自由に扱っていいのか分かりません。
たとえば転職前に働いていた職場では、プロジェクト内でかなり自由にサーバを建てたりPCを使ったりできました。
でも転職先では個人でリソースを触るのにはかなり制約があります。
同じエンジニア職でも環境によってこんなにやれることが違うのか、とストレスを感じていました。
社内の人間関係が分からない
転職して間もない時期は、社員同士の関係性が全く分からずスムーズに仕事を進めることが出来ませんでした。
エンジニアとはいえ仕事を進めるうえでチームメンバーや他部署との連携は欠かせません。
たとえば、
- 部署のキーマンはだれなのか
- 誰がどんなスキルを持っているか
- この作業をするときは誰を頼ればいいのか
を把握できれば作業がスムーズに進められます。
ぼくも最初の1年くらいは、インフラ回りや業務のことで分からないときに誰に聞けばいいのか分からない、また分かってもあまり話したことがないため聞きにくかったりと、なかなか上手く立ち回れませんでした。
またユーザ部門の担当者などは更に分からず失敗することも多くありました。
つらくならないためには時間をかけること
転職後の仕事でつらい思いをしないための基本的なマインドは、
「即戦力の期待にすぐ応える必要はない」
ということ。
基本的なマインドを理解した上でやるべき具体的な対策はこちらです。
- なじむのは3年を目安に
- 以前の会社のやり方にこだわらない
※「前の会社では~」はNGワード - なんでもかんでも「新しい風」ではない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
転職先には3年を目安になじんでいく
転職してすぐに成果を出そうと張り切りすぎないようにしましょう。
そもそもシステム環境も全然違う、人間関係も分からない状態では誰でも思うような成果は出せません。
とくにしんどい時期は最初の1年目です。
転職後の2、3カ月目から本格的に作業を振られるようになりますが、まだまだ環境は分からないことだらけの時期です。
以下のペースを目安にゆっくり計画を立てましょう。
- 1年目は会社や環境に慣れる
- 2年目は1人で仕事をこなせるように
- 3年目からは自分のスタイルで成果を上げる
「前の会社では~」はNGワード
スムーズに転職先の人間関係になじむためには、以前の職場のやり方にこだわりすぎないようにしましょう。
ぼくも無意識にやっていることがあるため、自戒をこめて書いています。
それぞれの会社で運用や独自のやり方が決められています。
作業の目的を意識して言うべきタイミングを見極めてください。
たとえば急いで何かの作業を進めたいときに最も大切なことは、スピーディ作業を終わらせること。
「前の会社ではこうだった。」
「もっとこうすべき。」
といちいち言われると何も作業が進みません。
一方で、業務やシステムの課題を洗い出し解決する目的の会議や、作業に余裕があるときなどは提案していきましょう。
ただし、
「前はこうだった。」
ではなく、
「こういう方法はどうでしょう。」
と言った方が建設的な意見になります。
「現場に新しい風を」は要注意
「環境を変えてやろう」となんでもかんでも新しいやり方にするのは逆効果です。
そもそも、どの作業でも目的は成果を上げることす。
けっして特定のやり方にこだわることではありません。
業務効率化や課題を解決するためにこのやり方に変える・ツールを使ってみる、が正しいアプローチですね。
たとえば、ただコンパイル環境を最新のやり方に刷新しましょう、はNGです。
現状で問題なく回っている、非効率でもなく課題もないのであれば、ただやり方が変わるだけなので逆に業務効率は落ちます。
また環境構築の工数も無駄になります。
一方で、手作業でやっている申請作業を電子WFでやりましょう、こんなツールがあります、ならOK。
紙ベースの申請だと、
- どこまで回覧できているか分からない
- 申請履歴を共有できない(すでに申請したか分からなくなる)
- 承認者がオフィスにいないと進まない
ざっと思いつくだけでもこれくらいは非効率な課題があげられます。
上層部からは、「現場に新しい風を入れて欲しい」と言われることも少なくないでしょう。
でも現場でいきなりやろうとしても、環境的な制約などですぐには出来ないこともあります。
上の記事で書いたように3年ほどを目安に、
「少しずつ新しいことを取り入れていこう」
くらいの楽な気持ちで取り組んでください。
まとめ:会社の雰囲気だけでも知っておこう
転職後にしんどくならないために大切なマインドは、即戦力の期待は気にしないことです。
ある意味新入社員くらいの気持ちで新しい環境に慣れていきましょう。
転職後につらくなるのは、大抵が「思っていたことと違う。こんなはずじゃなかった。」が原因です。
もちろん会社の雰囲気は実際に働いてみないと分からないものです。
それでも転職を決める前に少しでも多くの情報を仕入れて、ミスマッチを減らしていきましょう。
ぼくが転職したときは、こちらの記事で紹介しているIT転職エージェントを頼りました。
そしてエージェントの担当者から、飲み会が多い、転職者の離職率は低い、残業が少ない、社員の年齢層、中途採用が多いなど、求人票だけでは分からない情報を聞けるだけ聞きました。
ミスマッチをなくし、転職後の不安が少しでも軽くなれば幸いです。
それでは。