「どんな資格をもっていれば役に立つんだろう?」
社内SEへ転職したいと考えている方で、資格はあった方がいいんだろうかと悩んでいませんか。
医者や弁護士と違って、社内SEになるために必ず必要な資格というものはありません。
ただし持っていれば社内SEの仕事の役に立つ資格はあります。
本記事では、大手SIerから社内SEへ転職したぼくが考える社内SEに必要な資格を紹介します。
実際に社内SEとして働く中で実感しているリアルな内容をお伝えするため、資格が役立つことをイメージできるはず。
それではご覧ください。
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社内SEに資格は必要ない?
社内SEには資格が必要なのか?という問いに対する回答はこちらです。
社内SEに限らず、ITエンジニアには医者や弁護士などのように仕事をする上で必須となる資格はありません。
でも社内SEには必要とするスキルはたくさんあります。
まずIT知識全般はなくてはならないし、プログラミングやシステム構築の知識もあれば更に活躍できます。
さらに、社内SEが働いている業界の業務知識は必須といえるでしょう。
つまり、社内SEになるために必要な資格はありませんが、社内SEに必要とされる知識やスキルを身につける・証明するための資格は大きな力になるということです。
社内SEに求められる資格の基準は?
社内SEの仕事でプラスになる資格はとても幅が広いもの。
というのも社内SEの業務は幅が広く、マルチな知識やスキルを求められます。
さらには、どんな業界や企業、どんな仕事内容の社内SEかによって必要な知識はかわってきます。
以上をふまえて、社内SEが持っておくべき資格の基準となるのは次の2点。
- 幅広いIT知識
- 自社や業界の業務知識
まず社内SEに共通して求められるのは幅広いIT知識です。
社内SEはITスキルを使って社内業務の課題や改善を解決する、どちらかといえば細かなプログラミング知識よりもシステム全体を見渡せるスキルが必要です。
また企業や業界の業務知識は、IT知識と並んで社内SEにとって重要なポイント。
たとえば、
”メーカー系の社内SEであれば自社製品の知識や製造業のノウハウ”
”製薬会社であれば薬や薬事法の知識”
”税務関連企業であれば税金や会計のスキル”
といった業務知識があげられます。
業務知識がないと自社要件に合ったシステムを構築できない上に、自社業務の問題点や課題を洗い出すこともできません。
幅広いIT知識と自社業務を理解するための業務知識、この2つを基準に資格取得を目指してください。
社内SEへのおすすめ資格:幅広いIT知識
それでは社内SEにおすすめなのはどのような資格でしょうか。
まずは”幅広いIT知識”を基準とした資格を紹介します。
ITパスポート試験
情報処理推進機構(IPA)が運営する、IT全般の基礎知識を身につけるための試験。
社会人が備えておくべきITの基礎知識を学べ、業務での情報システム活用に役立てる資格です。
ITパスポートは情報処理技術者試験の中で最も難易度が低く取得もしやすいので、試験問題も選択式。
そのため、ITパスポートを持っているからと言って社内SEの大きな力になるわけではありません。
あくまでIT知識のさわりを勉強する資格と考えてください。
基本情報技術者試験
情報処理推進機構(IPA)が運営する、プログラミングやコンピュータの基礎知識を身につけるための国家資格。
社内SEだけでなく、IT業界を目指すのであれば誰もがはじめに目指す資格です。
資格そのものに価値があるというより、どちらかといえば基礎的なIT知識を身につけるための資格いえるでしょう。
そのため基本情報技術者を持っているからIT企業への転職に有利、といえるものではありません。
IT知識を幅広く勉強するといっても、何も材料がないとどうやって勉強すれば良いか分かりませんよね。
効率よくIT知識を体系的に勉強でき、さらに国家資格も持てる基本情報技術者試験はIT知識のお勉強にピッタリです。
応用情報技術者試験
情報処理推進機構(IPA)が運営する、ワンランク上のIT技術者を目指すための国家資格。
高度IT人材となるために必要な応用的知識、システム設計や管理・経営までを問われます。
基本情報技術者試験は基礎的な知識を問われるため問題は全て選択式。
一方で応用情報技術者試験は業務課題を読み取り技術的問題を解決する応用力が問われるため、選択式に加え記述式の問題も出されます。
ハードウェアからシステム開発、マネジメントまで幅広いIT知識を身につけられ、ぜひ持っておきたい資格です。
システムアーキテクト試験
情報処理推進機構(IPA)が運営する高度情報技術者試験の一つ。
業務とITのグランドデザインと題される、システム開発の上流工程を主導し、業務ニーズに応じた情報システムをデザインする上級エンジニア向けの資格です。
応用情報技術者試験と比べても難易度は格段に上がり、出される問題の半分は記述式です。
企業の業務課題を分析し豊富なIT知識を持って解決に導く、まさに社内SEにピッタリの資格と言えます。
情報システムの導入やシステムテストを行う社内SEであれば、システムアーキテクトの知識はとても役に立ち大きな力になるでしょう。
プロジェクトマネージャー試験
こちらも情報処理推進機構(IPA)が運営する高度情報技術者試験の一つ。
プロジェクト全体の意思決定を行い、品質、納期、コストを管理しながらプロジェクトを成功に導くための管理エンジニア向け資格です。
プロジェクトマネージャーは、システム開発を請け負いプロジェクト開発を行うSIerなどの請負開発エンジニアに最適な資格です。
ただ社内SEも、システムの発注側としてベンダー開発の納期や品質を管理します。
プロジェクトマネージャーのノウハウは、社内SEにとっても大きな力になるのは間違いありません。
情報処理安全確保支援士試験
こちらも情報処理推進機構(IPA)が運営する高度情報技術者試験の一つ。
サイバーセキュリティリスクを分析・評価し、情報システムの安全を確保するセキュリティエンジニア向けの資格です。
近年増えているサイバー攻撃のリスクは、社内SEにとって悩みの種です。
情報セキュリティの知識を持っておくことは、これからの情報システム管理者には避けては通れません。
社内SEへのおすすめ資格:業務知識
幅広いIT知識に加えて社内SEに必要となるのは業務知識です。
とはいえ社内SEとして働く企業によって業務内容は全然違うので、「この資格を持っていれば大丈夫!」と一言でいえるものではありません。
ここでは業務知識を身につける資格の一例を紹介します。
簿記
会計・経理の知識を身につけるための資格が簿記です。
簿記の資格が役に立つ社内SEの例はこちら。
- 会計・経理システムを導入する
- 基幹システムで精算、経理機能がある
会計システムをベンダーに開発依頼し導入するためには、社内SEが主導して自社業務に必要な仕様を決定しなくてはいけません。
仕様を決定するには会計の知識が必須。
簿記の資格を取得すれば会計の基礎知識が身につくので、情報システム開発に役立ちます。
まとめ:資格を実践に役立てる
社内SEに求められるスキルは年々幅広くなっています。
資格を持っていれば一定の知識を持っている証明になりますが、資格を持っていること自体はそれほど意味がありません。
こちらの記事で書いているように、大切なのは目的をもって資格をとり実業務に役立てること。
ただ資格を持っていれば、転職しやすくなる、業務幅が増える、知識を維持できる、とメリットは大きいです。
資格で得た知識を業務に活かし、社内SEとして活躍してください。
それでは。