「でも社内SEをおすすめする声もあるし。。なんでなの?」
こんばんは、SIerから社内SEへ転職したHRです。
ネットで社内SEの記事を検索してみると、「社内SEはやめとけ」という意見を見かけます。
一方で、転職サイトなどを含めて社内SEを推す意見も存在します。
じつは”おすすめします”・”やめておけ”のどちらの話も正しく、どちらか片方が間違っているわけではありません。
そして「社内SEはやめておけ」という声が出てきてしまうのは、社内SE業務とイメージのミスマッチが原因です。
本記事では「社内SEはやめとけ」という声が出てくる原因となる社内SE業務ミスマッチについて解説します。
社内SEはやめておけという声をそのまま鵜呑みにするのではなく、あなたなりに考えるきっかけになります。
それではご覧ください。
タップできる目次
社内SEのしんどさ=ミスマッチ
「社内SEはやめておけ」という声が上がるのは、社内SE業務で何かしらのしんどい経験があるからです。
自分がイメージしていた社内SEの仕事と実際の業務内容があまりにも違い、耐えられなくなってしまいます。
もちろん社内SEの業務内容にかかわらず、単純な業務量が多くつらいこともあるでしょう。
でも、単純な業務量の多さは社内SEだからという訳ではなく、人手不足や人員配置などまた別の問題です。
すべての理由はミスマッチに集約される
SIerと社内SEで働いてみると、社内SEへの転職はミスマッチが起きやすいと感じます。
なぜなら、同じエンジニアでもソフトウェア開発エンジニアと社内SEでは業務内容が全然違うからです。
例えば、社内SEでは業務システムの導入などで社内各部署との調整・コミュニケーションが求められます。
ときには実際にシステムを利用する部門への対応、ユーザへのヘルプなどが含まれることも。
これまでプログラミング開発のみを行ってきたようなコミュニケーションが苦手なエンジニアにとっては、なかなかにつらい仕事ですよね。
また、システム開発のフェーズでもコーディングやテストなどの開発は外注することも多く、バリバリ開発をしたいエンジニアにとってはストレスが溜まる環境でしょう。
他にもソフトウェア開発エンジニアにはない社内SEのしんどさは、こちらの記事で解説していますのでご覧ください。
社内SEも現場によってさまざま
ミスマッチの原因は、ソフトウェア開発エンジニアと社内SEの違いだけではありません。
社内SE自体のイメージが画一的になっていることも原因の一つです。
社内SEと一言でいっても、現場では仕事内容にかなりの違いがあります。
ここではSIer時代から社内SEの現在まで、いろんな現場を見てきた経験から違いを説明します。
会社の規模
同じ社内SEでも会社の規模で業務内容は変わります。
それは会社の規模で社内SEの人数が異なるからです。
例えば、大企業では情報システム担当の社員数も多く、数百人規模の会社も存在します。
社員数が多いため、情報システム担当部門でもユーザ対応やインフラ部門などキッチリ役割が分かれています。
一方で、中小企業だと情報システム担当社員の人数も少なく、一人の社員が担当する範囲が広くなりがち。
アプリ開発からサーバ管理、ユーザ対応までなんでも屋になりやすい特徴があります。
こちらの記事で更に詳しく解説していますのでよろしければどうぞ。
役割による違い
同じ企業内でも担当する役割によって業務内容やスキルは全くの別物。
上で紹介したように、特に大企業では役割分担がはっきりしています。
例えばユーザサポート部門では、システム利用ユーザからの問い合わせや操作内容の説明を担当します。
業務アプリケーション部門では、新規システムの開発・導入や既存アプリケーションの保守・運用が担当。
また、インフラ部門ではサーバやネットワークの維持管理が主な業務です。
担当部門も違いは業務内容だけではなく、残業や休日出勤などにも影響してきます。
詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
業界による違い
社内SEには、自社の業務内容や業界知識の理解が必須要件。
なぜなら、自社業務の問題点や経営戦略への影響をシステム面から分析し提案することを求められるからです。
自社が製造業なら自社製品の知識や製造工場のオペレーション、業務システムの運用方法などを知っておかなくてはいけません。
また、保険業なら保険業界の知識や保険内容の詳細知識が必要になるでしょう。
つまり、ITシステム面への興味だけではなく、業界知識を吸収するための興味が必要になるわけです。
エンジニアであればIT知識への興味は当然あるでしょうが、全然興味のない未経験の業界知識に興味を持たなくてはいけない可能性があるんです。
あなたが仕事に求めるものは?
社内SEでミスマッチを起こさないために、「あなたが仕事をする上で重要なこと」を理解しましょう。
仕事で重要と考える内容は人によって違うため、一概に”コレ”とは断言できません。
給料をたくさん貰いたい、ワークライフバランスを重視したい、スキルを高めたい。
当然ながら、これらすべてを満たす仕事はありません。
あなた自身が大切にしたい価値観を探してください。
社内SEへの転職は正解?
あなたが仕事に求めていることは、社内SEへの転職で実現できるのでしょうか?
例えばあなたが、
「いまの職場は激務でしんどいから転職したい。」
と考えているとします。
でも、プログラミングが好きなので社内調整や管理じゃなくバリバリ開発したい、と思うなら社内SEは向いていません。
以下の記事で書いているように、社内開発エンジニアなどがターゲットになるでしょう。
あなたにとって、必ずしも社内SEへの転職が正解とは限りません。
ぼくの例を紹介
ぼくが社内SEへ転職した理由は、”ワークライフバランス”+腰をすえた開発”です。
SIerの仕事では、常にいくつもの案件と納期に追われ残業時間が多い状態が続いていました。
家族との時間も取れず、毎日の夕食を家族で取りたいと思ったことが転職理由の一つです。
また、SIer時代はいくつもの開発案件を次々にこなす必要があり、一つの環境で腰を据えて開発を行いたいと感じたことも理由の一つ。
体調を崩してしまったこと、転職活動スタート時の話などはこちらで細かく紹介しています。
ミスマッチにならないためにできること
あなたが仕事で重要なこと、そして社内SEでそれを満たせるかを考えるためには、社内SEの業務内容を詳しく知ってください。
ぼくが語れる社内SEの知識は、こちらの記事ですべて説明していますので社内SEの実態を知ってもらえたら幸いです。
さらに本章では、とくに大事な点を書いていきます。
楽そうだから社内SEへはNG
決して社内SE=楽ではありませんので注意してください。
本記事でも繰り返しているように、社内SEの業務に合わなければかなりしんどい仕事です。
楽だからと安易に転職先に選ぶのは止めましょう。
お客さんが情シスならチャンス
SIerやソフトウェアベンダーなら顧客がユーザ企業の情シスであることも少なくありません。
もしあなたが仕事上で、情報システム部のお客さんと付き合いがあるのであればチャンスです。
なぜなら、現場で働くお客さんからは生の社内SE情報が入手できるからです。
打ち合わせ時やシステム導入時など、担当者や周りの社員の仕事を観察してみましょう。
ただし、単純に「忙しそうだな。大変そうだな。」ではなく、以下のように一歩踏み込んで観察してみましょう。
- どんな業界で企業のポジションはどの位置か
- 情シスが担っている役割は何か
- 担当者の役職や立場はどうか
- 具体的な担当者の業務内容は何か
転職サイトや求人内容だけでは分からない、現場で働く社内SEのリアルがそこにはあります。
いまの職場のメリットを最大限活用してください。
なお、お客さん(情シス)と接点がない、IT業界に接点がない方は、転職エージェントを利用してみるのも一つの手。
転職エージェントでは担当者が転職活動をトータルでサポートし、地域の企業や業界の詳細も教えてくれます。
情報源は多いに越したことはありませんから。
ただし、必ずしもあなたにとって良い転職エージェントばかりではありません。
注意点をこちらの記事で解説していますので、ぜひ目を通してみてください。
まとめ:なぜ?と理由を考え行動を
「社内SEはやめとけ」という声を、そのまま鵜呑みにするのも頭から否定するのも良くありません。
本記事では、なぜそんな声が上がるのか?をぼくなりの考えで書きました。
特別新しい考えではありませんが、意外と自分では気づいていないことも多いです。
人が何かを不安に思うのは、そのことが分からない・理解できていないため。
理由が分かれば不安は一気に取り除かれます。
なぜなのか?とあなた自身で考えることが大切です。
ただし、大抵の人は考えただけで何もせず終わってしまいます。
あなたなりに考えがまとまったら、いまの仕事のやり方を変えるのもよし、転職に踏み出すもよし、何かしら行動してみましょう。
どんな行動に移すにしても、あなたにとって良い結果になれば幸いです。
それでは。