「システムエンジニアならパソコンに詳しいんでしょ?って聞いても「そんなに詳しくないよ」っていう人もいる。」
「エンジニアはみんなパソコンに詳しいんじゃないの?」
システムエンジニアとして15年以上働いているHRです。
エンジニアになってから「エンジニアならパソコンに詳しいんでしょ?」と何度も話をされました。
本記事の内容はこちら。
- システムエンジニア=全員パソコンに詳しい、じゃない理由
- コンピュータに詳しくないエンジニアの実例
- コンピュータに詳しくない未経験者でもエンジニアになれるのか
パソコンはあくまでITシステムを作り上げるための道具。エンジニアがコンピュータそのものを作るわけではありません。
エンジニアも役割が分かれていて、WordやExcelくらいしか使わない立場のエンジニアもいます。
また実際にパソコンに詳しくないエンジニアの例も紹介していますので、パソコン知識が少なくても活躍できると分かります。
それではご覧ください。
タップできる目次
PCに詳しくないエンジニアがいる理由
理由はこちらの4つ。
- PCはあくまで仕事の道具
- プログラミングの割合は少ない
- 業務知識が重要
- エンジニアの種類も関係する
エンジニアはコンピュータを使いこなしてガンガンプログラムを書いている、と一般的にはイメージされがちです。
でもシステム開発工程の中でプログラムを書くのはほんの一部。
同じエンジニアでも、仕事内容によってはコンピュータ知識はそれほど求められません。
このイメージの違いが、「エンジニアは誰でもコンピュータに詳しい」につながります。
正直、システム開発の中身なんてエンジニアじゃないと分かりませんよね。
① PCはあくまで仕事道具
システム開発の仕事で使うパソコンの機能はそれほど多くはありません。
エンジニアはあくまでシステムを作る仕事なので、目的に必要な機能しか使っていないからです。
たとえばプログラミングならエディタやデバッガなど開発に必要なソフト、設計ならWord・ExcelなどのOffice製品、設計用のソフトなど。
ちょっとしたツールなんかも使いますが、メインで使うのはそれくらいです。
あくまでエンジニアが使っているのはコンピュータの上で動いているソフトウェアです。
② プログラミングの割合は少ない
システム開発のなかでもプログラミング工程がいろんなソフトウェアを使います。
でもシステム開発全体でみると、プログラミングの割合は3割ほどしかありません。
プログラミングのほかは要件定義、設計、テストなどの工程。
どちらかといえばプログラミングより要件定義や設計の方が時間がかかります。
システム開発の工程はこちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
③ 業務知識が超重要
システム開発ではコンピュータ知識以上に業務知識が求められます。
業務知識とは、物流、小売、工場などシステムを使うお客さんの仕事で使う知識。
たとえば会計システムを作るなら、経理や仕訳などの会計知識が必須です。
システムを作り上げる目的はシステムで業務をサポートすること。
要件定義、設計、プログラミング、テストの工程それぞれで十分に業務を理解していないと、役に立つシステムは作れません。
④ エンジニアの種類でスキルがちがう
同じエンジニアでもインフラエンジニアはコンピュータ全般に詳しくなります。
なぜなら、インフラエンジニアはサーバ構築や保守が主な仕事なため。
サーバ構築には、ハード周り、ネットワーク、ストレージからソフトウェアまで幅広い知識が必須です。
サーバ構築のノウハウはPCの知識にそのまま落とし込めます。
一方で、プログラマーは必ずしもハードやネットワーク周りのスキルまでは求められません。
極端にいえば、プログラマーはエディターや統合開発環境、Word・Excelだけ使えれば仕事ができてしまいます。
PCに詳しくないエンジニア:実例を紹介
ここまで読んで、
「本当にPCに詳しくないエンジニアなんているの?」
と思われたかもしれません。
でもPCに詳しくないシステムエンジニアは、ぼくのエンジニア人生のなかで身近にいました。
そこで本章では、ぼくがこれまでに出会ったコンピュータに詳しくないエンジニアを紹介します。
SIer時代の上司
1人目は、ぼくがSIer時代に参加したあるプロジェクトのマネージャーです。
そのマネージャーはコンピュータだけではなく、IT全般の知識もほとんどありませんでした。
ただしコミュニケーションスキルが抜群で、会社のトップやお客さんからの好感度がダントツ。
お客さんとの打ち合わせでも、IT知識がないものの上手く話を持っていき最終的にまとめるんです。
ある意味うらやましいスキルでした。
SIer時代のお客さん
2人目は結婚して退職した元お客さん。あるパッケージソフト開発のプログラマーです。
プログラミングは得意でしたが、コンピュータ知識はそれほどなくシステム開発環境以外は全然知りません。
パソコンのセットアップはできないけど、C#のコードはバリバリ書けるアンバランスさ。
コンピュータに詳しくないプログラマーの典型的な例です。
隣のエンジニア
3人目は社内SEへ転職後の同僚です。
隣の席に座っているこの方はバリバリのエンジニア。プログラミングや設計は難なくこなせます。
ただ驚くことにPCの基本的な知識がありません。
パソコンのローカルアカウントとドメインアカウントの違いが分かりません。
それでもコーディングはサクサクできるスキルがあります。
PCに詳しくない:それでもエンジニアを目指すには
大事になのは「必要なポジションにマッチしていること」。
前の章で書いた例からも分かります。
1人目のマネージャはITスキルのかわりに抜群のコミュニケーションスキルを。
2人目、3人目はプログラミングに特化したスキルを持っています。
システム開発工程を知る
自分のスキルを活かせるポイントを探しましょう。
システム開発でプログラミング工程は3割ほどしかありません。
誤解されやすいポイントなので繰り返しますね。
設計やテスト工程では説明能力や資料をまとめるスキルも大切です。
まずはそれぞれの工程ではどんな作業をするのか、どんなスキルが求められるのかを知ってください。
マネージャーは別スキル
プロジェクトマネージャやリーダーに求められるスキルは、プログラマーとは全然ちがいます。
なぜならマネージャは人・モノ・お金、そして開発プロジェクトの管理が仕事だからです。
具体例はこちら。
- システム開発の進捗管理
- お客さんとのやり取り
- 開発メンバーの管理
- 開発工数・原価の管理
管理者のスキルはIT業界に限らずどの業界でも求められます。
マネジメントスキルを磨いてIT業界を目指すのもアリです。
資格でIT知識を身につける
それでもプログラマー、マネージャーでもIT知識は持っていた方がいいのは間違いありません。
効率よくIT知識を身につけるには、IT資格取得がおススメです。
IT知識のポイントがムダなく身につきます。
何より目標があると勉強のモチベーションもアップしますよね。
幅広いIT知識を身につけるためにおススメの資格は、社内SEに必要な資格とは?『業務知識と上流工程がポイント』で紹介しています。
またぼくがIPAの高度資格試験に合格したときのおススメ勉強法は、エンジニアにおススメする資格試験の勉強方法を紹介『実践済み』
で解説していますので役立ててください。
マッチングできる求人を探す
IT企業もバリバリのエンジニアだけを求めているわけではありません。
システム開発プロジェクトを回すためには、マネージャー、若手、コミュニケーションスキルなどいろんなスキルが必要。
コンピュータに詳しくなくても、そのとき企業が求める人材にマッチすればいいんです。
なお求人情報だけだと、本当に企業が求めているスキルやタイミングはなかなかつかめません。
そこでIT転職エージェントに登録して担当アドバイザーへ相談しましょう。
転職アドバイザーは地域のIT業界に詳しいので、求人企業の内情や求めている人材も教えてくれます。
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まとめ:一緒に働きたい人を採用する
求人を出しているのは企業でも、結局採用するのは人です。
人が一緒に働く人を選ぶときに大切なのは「この人と一緒に働きたいか」と思えること。
ITスキルがないから初めからあきらめることはありません。
今できることから一歩を踏み出してください。
それでは。