「1日をどんなスケジュールで過ごしているんだろう?」
社内SEへの転職を考えている方や新卒で社内SEを目指している方にとって、社内SEの具体的な仕事内容は気になるところでしょう。
ぼくは以前、SIerからの転職者に向けてこちらの記事で社内SEとの違いを解説しました。
上の記事はどちらかといえば一般的な内容を書いているため、具体的に社内SEで働くイメージを持ちにくいかもしれません。
そこで本記事では、ぼくがいつもの仕事で1日どんなスケジュールをすごしているかを紹介します。
とくに社内SEへの転職を考えているSIerエンジニアや請負開発エンジニアの方にとって、いまの仕事内容との違いをイメージしやすい内容にしました。
それではご覧ください。
タップできる目次
社内SEであるぼくの主な仕事内容
具体的な仕事のスケジュールを紹介する前に、ぼくが働いている会社の企業構成や仕事内容を説明しておきましょう。
というのも、社内SEといっても企業や組織構成によって仕事内容が全然ちがうからです。
なので、ぼくの仕事内容を紹介する前提条件としてはじめに書いておきます。
ぼくが働いている会社は、とある業界企業の情シスが分社化されたグループ内の一企業。
グループ内企業が使っている基幹システム、情報機器の保守、開発、運用を行っています。
ぼくはの立場は事業単位に分かれたチームのリーダーです。
おおまかな業務内容はこちら。
- ユーザからの問い合わせ対応
- 基幹システムの保守、運用
- 基幹システム機能改修
- 新規企画の立案、推進
この前提でぼくのスケジュールを紹介していきます。
社内SEのスケジュール
ここからは、ぼくの普段のスケジュールを紹介します。
ただし毎日同じスケジュールで仕事をしているわけではありません。
あくまでとある日を例に、1日の流れを解説していると考えてください。
朝:メール・ユーザ問い合わせ内容をチェック
出社してからまず行っているのは、メールや前日までのユーザ問い合わせ内容のチェックです。
朝はその日の成果が決まる大事な時間。
新しい依頼が来ていないか、急ぎの問い合わせが来ていないかを確認し1日のスケジュールを組み立てます。
メールチェックはどの業種、どの企業でも同じように行っていることでしょう。
社内SEであるぼくの場合は、ユーザからの問い合わせ確認も加わります。
ユーザからの問い合わせはワークフローシステムで管理されているため、登録された問い合わせや要望などを回覧、承認していきます。
午前中:ユーザからの問い合わせ対応
ぼくの会社ではユーザからの問い合わせは、ほとんど電話でかかってきます。
問い合わせ内容はシステムの使い方から動きがおかしいとの連絡、機能追加の要望までさまざま。
すぐに答えられる内容なら電話口で回答して終わり、となるのでそれほど時間は取られません。
ただ場合によってはシステム内部のDBや各種データ、帳票類を確認しながら対応することもあります。
時には障害とわかりリカバリを行うことも。
問い合わせ内容が解決したらワークフローシステムへ登録して対応完了です。
ただ、この日の問い合わせははたまたま午前中だっただけで、いつ問い合わせがくるかは分かりません。
午後:システム改修内容の検討
午後は基幹システムや関連システムの改修検討、設計、打ち合わせなどをこなしていきます。
企業で使うシステムは、一度開発してからずっと同じ状態で使い続けるわけではありません。
とくに基幹システムはいろんな法改正や業界基準の変化に合わせて改修するので、開発に終わりはないですね。
メモ 基幹システムとは?
事業の核(基幹)となる業務についての情報を管理するシステム、またはソフトウェアのことを指します。基幹事業とは会社の利益を上げている主な事業のこと。利益を上げていく上で絶対に必要となる情報システムとも言えます。
法改正は直接かかわっていないとイメージしにくいかもしれません。
たとえば消費税改正、元号改正(平成から令和へ)などは身近な例で分かりやすいでしょう。
夕方:ベンダーとの打ち合わせ
夕方は社外の開発ベンダーと打ち合わせを行います。
こちらの記事でも書いているように、社内SEはシステム開発を自分たちで行うことはそれほど多くありません。
システム改修の企画、設計まで完了したら、プログラミングやテストは社外ベンダーへ外注することがほどんどです。
ベンダーとの打ち合わせ内容はだいだい次のとおり。
- 開発を依頼している分の進捗確認、仕様検討
- 新規開発案件の見積もり
- 社内システムの提案
夜:夜間処理の立ち合い
昼間の作業が終わったあとも、夜間処理の立ち合いをすることもあります。
企業全体で使う基幹システムのような大規模システムだと、日中のシステム使用時間以外にも夜間処理が動くことも少なくありません。
なぜなら、日中には負荷がかかるためできない処理を夜間にまとめて行うからです。
たとえば、システムデータのバックアップやデータのクレンジングなどですね。
夜間処理でエラーが起きないかを監視し、エラーが発生したら関連各所と連携し対処しないといけません。
ぼくが社内SEの仕事で決めているマイルールとは
社内SEの仕事をスムーズに進めるために、ぼくはマイルールを決めています。
- 作業のルーティン化
- 他部署への連絡
- 予定は半分に
それぞれ説明していきます。
定型作業はルーティン化する
社内SEに限らず仕事の中には毎日決まった作業があります。
ぼくの場合、メールの確認やユーザからの問い合わせ内容確認は朝イチで対処しています。
メールの内容や問い合わせによって、その日のスケジュールを決めるようにしました。
ほかにも業務知識の習得をメール確認のあとに行ったり、業界情報収集を午後イチでしたりしています。
決まった作業をルーティン化することで、確実に時間をとれるよう習慣化しました。
他部署への連絡時間は先に決める
社内SEの仕事は、関係各所やベンダーなどいろんなステークホルダーへの連絡が少なくありません。
連絡するタイミングは朝イチがいいのか、夕方がよいのか、相手のスケジュールを想定し1日のスケジュールに先に組み込みます。
連絡スケジュールを先に決めておくことで、確実に連絡できるようにしています。
1日の半分は予定を空ける
ぼくはその日の予定を組むときには、あらかじめフルでスケジュールを詰め込みません。
というのも社内SEの仕事は思った以上に割り込み作業が多いんです。
たとえばユーザからの問い合わせ、システムのエラー通知、ベンダーからの連絡など、いろんな突発作業が入ってきます。
そもそもの予定をフルで組んでしまうと、割り込み作業が発生したときにあふれてしまいます。
まとめ:転職して働く姿をイメージする
本記事で紹介したぼくのスケジュールを見て、全然プログラミングをしていないことにお気付きかもしれません。
もちろんプログラミング作業がゼロではなく、VBAでちょっとしたツールを作ったり、簡単な改修くらいなら自分でコーディングすることもあります。
ただ基本的には自分でがっつり開発することはありませんね。
また社内SEの場合、開発スケジュールはけっこう調整しやすいです。
なお、本記事で書いた内容はあくまで社内SEの一例です。
社内SEと一言でいっても、たとえば保守専門の部署ならシステム開発などはなくユーザからの問い合わせと機器のメンテだけ。
社内SEへの転職をかんがえているなら、社内SEはどんな仕事なのか、あなたがイメージしている仕事と違わないか、求人内容をよく確認することが大切です。
求人情報だけでイマイチイメージできないときには、転職エージェントに確認するとより詳しく教えてくれます。
ぼくも今の会社に転職したときには転職エージェントにお世話になりました。
転職エージェントは企業担当者と定期的にやり取りしているため、求人情報に書かれていない実態を知っています。
社内SEの仕事内容をイメージして、ぜひ転職活動を成功させてください。
それでは。