「社内SEは残業が少ないって聞くけど本当なの?」
10年以上働いたSIerから社内SEへ転職しました。
ぼくが社内SEに転職したのは「残業時間を減らして家族との時間を増やしたかった」からです。
結論からいうと、ぼくの場合は社内SEへ転職して残業時間を減らすことができました。
本記事では、エンジニアが残業時間を減らせること、残業削減のためのマインドセットを書いていきます。
残業時間を減らしたいと悩んでいるエンジニアの方は参考になるかと思います。
それではご覧ください。
タップできる目次
エンジニアの残業時間は減らせる
ぼくは社内SEに転職して残業時間をおよそ月に10時間ほどまで減らすことができました。
月の残業時間は50時間⇒10時間に
SIerのエンジニア時代は月の残業時間はおよを50時間ほど。
もちろん時期によって波はあり、30時間ほどの月もあれば、繁忙期には100時間を超えることも少なくありませんでした。
社内SEに転職後は大体月に10時間くらいの残業です。
多い月には20時間を超えることもありますが、それほど多くはありません。
なぜ残業時間が減ったのか?
転職して残業時間が減らせたのは、SIerと社内SEでシステム開発の性質が違うことが関係しています。
なかでも最大の理由は納期の主導権があること。
社内SEが開発するシステムの利用ユーザは主に社内、グループ内の社員なので、それなりに納期を調整できます。
一方で、SIerが開発するシステムの利用ユーザは、発注元の客先企業社員やサービスを利用する一般ユーザであることがほどんど。
一般向けサービスであれば利用開始日を大々的に宣伝していますし、利用者が起業の社員であっても納期を決めるのはあくまでお客さん側です。
SIerでは複数のお客さん案件を同時に進めることが多く、納期が重なると開発を間に合わせるために残業時間がどんどん増えていきました。
詳しくはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。
残業を減らせた先にあったもの
ぼくは社内SEへ転職することで残業を減らせたわけですが、残業を減らしたかった目的はプライベートな時間を確保することでした。
家族と夕食を囲める貴重な時間
プライベートな時間のなかでも、一番増やしたかったのは「家族と夕食を一緒に食べる時間」です。
というのも、いまは小さい子供達もいずれ大人になって巣立っていきます。
ぼくもふとした時に、
「妻と子供達で毎日同じ食卓を囲んでご飯を食べられるのも今しかないんだよなぁ。」
ということに気づきました。
SIer時代は22時や23時に帰宅するのもあたりまえで、大抵は子供達は寝静まったころでした。
社内SEに転職してからは19時ごろには帰宅して家族で夕食を食べられています。
忙しいエンジニアではありえないと思っていました。
あなたはお子さんが誰と仲が良く、どんな先生で、学校でいまどんな勉強をしているか知っていますか?
学校のこと、友達のこと、習い事や宿題のこと。
家族でいろんな話をしながら夕ご飯を食べ、子供達といろんな話ができるようになりました。
自分の時間が持てる
仕事から早く帰れると自分の時間を持つ余裕も生まれます。
帰宅してお風呂、ごはん、片付けや洗濯もの干しなどをすませて、子供たちが寝てもまだ21時か22時ごろ。
そこから妻もぼくも自分たちの時間です。
たとえば、ぼくの場合趣味のバンドに打ち込む時間も転職前より余裕をもてるようになりました。
ただし、それでも社会人で家庭もあると時間は無限にあるわけではありません。
ぼくも転職前からいろんな工夫をしながら少しずつ時間を確保しています。
また、本ブログを書いているのも仕事から帰ってから寝るまでの自分の時間です。
ブログは社内SEに転職して一から始めたこと。
転職をきっかけに時間を取りやすくなったことで、新しいことにチャレンジできるようになりました。
睡眠をとる大切さに気付けた
社内SEへ転職前は睡眠の大切さをあまり気にしていませんでした。
SIerの仕事は深夜帰宅もふつうで、帰宅後に自分の時間を確保するため夜中にギターの練習をするのも日常のことでした。
20代のころはあまり問題なかったんですが、30代・40代となると明らかに翌日不調になることが増えてきます。
そんな時にふと読んだ本「スマホ脳」で睡眠を気にするようになりました。
スウェーデンの精神科医が書いた世界的ベストセラーで日本でも話題になりましたね。
睡眠の大切さを人間の動物的本能から解説していて、一般的な抽象論とは違いストンと腹落ちしました。
本を読んだ知識だけではなく、実際に睡眠をしっかりとった翌日の体調は明らかに違うと自分でも感じます。
スマホやPCを一日中触っているエンジニアの方は一度読んでみてはいかがでしょうか。
残業時間が減った=仕事が楽ではない
残業時間が減ったことでプライベートな時間は増えました。
でも残業時間が少ないからといって、仕事自体が楽なわけではありませんのでご注意を。
「楽だから」と社内SEに転職すると失敗する
「社内SEなら残業時間も少なくて楽だ。」
という考えは捨てましょう。
転職のミスマッチが起きてしまい、社内SEの仕事が合わずにまたやめることになってしまいます。
実際にぼくが今社内SEで働いている職場でも、ぼくが転職してから数年間で転職してきた2人がやめてしまいました。
システム企画や各種ステークホルダーとの調整が多い社内SEの仕事に合わなかったのでしょう。
また、プログラミングスキルをもっと磨きたい、というような技術志向の人にもあまり向いている職とは言えません。
転職前にイメージしていた仕事と全然違う、とならないよう社内SEの仕事を理解しておきましょう。
詳しくはこちらで解説しています。
残業時間が減る=残業代は減る
ぼくは社内SEに転職したことで正直年収は下がりました。
それは残業が減り残業代が少なくなったためです。
ただ転職活動で社内SEに決めたときには年収が下がることは覚悟の上。
家族とも話し合い転職エージェントとの交渉のなかで最低希望年収を伝え、転職先企業を探しました。
エンジニアが残業を減らすために⇒環境を変える
エンジニアのぼくが残業を減らせたことは、ここまでお伝えしたとおりです。
ここでは、エンジニアが残業を減らすためにできること、考え方を書いていきます。
転職は残業を減らす方法の一つ
残業を減らすためには、何かしらの方法で今の環境を変える必要があります。
というのも残業が多くなっている原因の多くは、持っている案件の数、部署、仕事内容、会社など、あなたの周りの環境だからです。
たとえばあなたの部署が担当している案件の数が多すぎるのなら、あなた自身の仕事も増えることになるでしょう。
なお、残業を減らすために、時間を効率的に使う、仕事を抱え込まない、などがよく言われます。
ただ理屈ではそのとおりなんですが実際はなかなかできませんよね。
個人的には環境を変えるのが一番いいと思います。
ぼくの場合は転職で残業を減らせましたが、環境を変えるためには転職ばかりが方法ではありません。
たとえば環境を変える方法はこちら。
- 受け持っているプロジェクトを変える、減らす
⇒落ち着いているプロジェクトへ異動する - 所属する部署を変える
⇒忙しい部署から落ち着いている部署へ異動する - 役職を変える
⇒マネージャーから担当者へ希望する - 職種を変える
⇒開発から総務に異動する - 会社を変える
⇒転職する
インパクトが小さい順に書いています。
あなたの出来る方法から少しずつ考えていきましょう。
残業を減らすことはトレードオフ
残業を減らすということは他の何かを手放すことです。
残業が減れば少なくとも残業代は減りますよね。
仕事をする上で大切なことは、収入、仕事のキャリア、ワークライフバランスの3つ。
仕事にバリバリ打ち込みたいと思えばキャリアや収入は上がりますが、ワークライフバランスは犠牲になるでしょう。
逆にワークライフバランスを優先し残業をしたくないとなれば、残業代が無くなるため収入は減ります。
もちろん企業によっては、収入、仕事のキャリア、ワークライフバランスの3つ全部を満たされる職もあるでしょう。
でも残念ながら日本のエンジニアでは3つの条件を全て得られるポジションはごく一部。
大部分の一般人はトレードオフで考えざるを得ないのが現実です。
環境を変えるために行動を起こす
残業を減らす方法を決めたら、あとは行動をおこすだけです。
受け持っているプロジェクトを変えるためには、あなたが持っている案件の棚卸、削減できる方法を検討しましょう。
所属部署を変えたければ、部署異動の希望を上司に伝えましょう。
社風などのため会社を変えないとムリだと判断したら転職の準備を始めましょう。
転職を選んだのであれば、ぼくはエンジニアの転職エージェントを使うことをおススメします。
というのも、仕事が増え残業が多くなりがちな人は「自分でやらなきゃ」と抱え込む真面目さを持っているからです。
転職活動も全部自分で抱え込んでしまうと悪い方に出てしまいます。
誰かに任せられる作業は任せる、それくらい気楽に考えてください。
転職エージェントは合わなければ途中でやめても大丈夫です。そして何より無料で使えます。
転職のサポートをしてくれる転職エージェントを使ってなるべく負担のないよう転職活動を進めましょう。
まとめ:動かないと何も変わらない
残業が多すぎてキツイ、とグチるだけでは現状は変わりません。
また、すぐに動けない人は先の心配をしすぎて慎重になりすぎる傾向があります。
技術の進歩が速い現代では、世の中も環境もすぐに変わっていきます。
ウォーターフォール開発型マインドから、プロトタイプ・アジャイル開発型マインドに変えていきましょう。
個人的には「なるようになる」「流れに任せる」くらいの考えてちょうど良いと思います。
さっそく本日から動いてみましょう。
会社に残るなら案件の削減上司へ相談、転職ならエージェント登録からですね。
残業を減らしてその先にある未来を手に入れてください。
それでは。